専門性
リーガル課題の解決から、クライアントの課題解決へ～専門性を高めてきたからこそ解決できた事件の内容と解決のポイント（労災事故編）
労災事故により四肢麻痺等の後遺障害が残存
依頼者が倉庫内高所作業中に，倉庫内に堆く積み上げられたパイプの上から地面に転落し，四肢麻痺等の後遺障害が残存してしまったケースでした。
依頼者は，労災保険給付だけでは，満足のいく生活をしたり，将来にわたって先進医療や介護を受けたりすることは困難であるとし，どうすればよいか悩んでいました。そこで，労災事故事件に精通し，「労災専門部」を抱える我々は，事業主側にも法的責任があると考え，慰謝料等の損害がてん補されない労災保険のみに頼ることなく，きちんと事業主側を訴えることで，将来にわたる相当な賠償金を受け取り，依頼者のニーズを満たそうと考えました。もっとも，事業主側は，当初，法的責任を認めていませんでした。そのため，確たる証拠をもっていない依頼者側は，不利な状況に置かれていました。そこで，法的責任を裏付ける有効な証拠を獲得すべく，我々は，証拠保全という手続を実施し，その結果，得た証拠等により，その後に提起した裁判を大変有利に展開することできました。
労災事件における証拠保全
当時，医療過誤事件などではともかく，労災事件において証拠保全を申し立てるという手法は，まだまだ弁護士の中でも一般的なものではありませんでしたが，我々の「労災事件専門チーム」は，数多くの経験を有していましたので，この事件では証拠保全を実施すべきであると考え，実際，それにより有利な証拠を獲得することができました。その後，提起した裁判では，証拠保全で得た証拠を援用しながら，有利に進めることができ，事業主側に対して１億円を超える損害を賠償すべきとする判決を得られました。
専門性の強みを活かす
ただし，この判決によっても事業主側は任意に賠償金を支払ってきませんでしたので，「倒産専門部」も抱える我々の強みを活かし，債権者から破産を申し立てるという「債権者破産申立」という手法を利用することで，最終的には事業主側から実際に１億円以上もの賠償金を得ることができ，依頼者のニーズも満たすことができました。